
「神話というのは遠い昔の人が、暇にまかせて空想した、ただの荒唐無稽なお話じゃないんだよ」
これがジョセフ・キャンベル、レヴィ=ストロース、ユングや河合隼雄が、それぞれの立場から伝えていることです。
~深層心理に刻まされた、普遍的な成長のパターンだったり、私たちが通常考える論理的な秩序ではない、もう一つの精緻な秩序(野生の思考)だったり、人類共通の深層心理や、その文化特有の反映だったりする~と言うのです。

それは「現実世界」に生きる私たちにとって「夜見る夢」の存在とよく似ています。
夢では全く意味不明なStoryが展開されますが、なぜかそれが私たちに不可欠なように。(むしろ論理的な夢なんか見たくないですよね…笑)
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さらにそれら(神話・深層心理・夢)と身体症状についての考察を深めたのが河合隼雄やミンデルです。
「身体症状を通じてカラダは何を表現しようとしているのか?」 その問いと対話を続けることが、全人格にとって大切なのだと。
これは現代医学の立場からすると、荒唐無稽でまったく論理的ではありません。
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でも大切なことは、どちらが正しい・正しくないではなく、私たちが生きていく中で「その両方が必要なのだ」ということです。
東洋医学はその出自からして「神話・野生の思考」の分野です。
だから現代医学の常識とは違う、でも生きるうえで欠かせない夜見る夢のような存在なのです。