
ああ~お彼岸ですね~。
伊豆では北東からの涼しい風が吹き始め、ようやく秋の訪れという感じです。
畑では彼岸花が、美しい紅色で道を彩ります。
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でも彼岸花って、カレンダーも脳もないのに、どうやってぴったりお彼岸に花を咲かせるのでしょう?
不思議だと思いませんか?
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じゃぁ質問を変えて
僕たちはなぜ呼吸出来るのでしょう?
「呼吸の仕方マニュアル」なんて読んだことないのに(笑)
では歩き方は?
消化吸収の仕方は?
怪我した時の傷の治し方は?
そう、彼岸花も、僕たちも、誰にも教わってないんです。「なんか知らんけど出来てる」
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「いやいやそんなの科学がとっくに仕組を解明しているでしょ?」と思われがちですが、それでもまだわからないことの方が多いのが、現在の科学の立ち位置です。
この「身体知」と呼ばれるこのチカラ。
あまりにも当たり前すぎて、軽んじられるけど、それはもう驚くほどの高い能力を持っています。
神秘といっていい。
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なのに、僕たちは大人になるとどうして「マニュアル」や「正しいやり方」を教えてもらわないと不安になるんだろう?何も出来ないと思っちゃうんだろう?
今日はそんなおはなし。
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● 目次
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・安富歩さんの視点
・安富さんの銀行時代
・マニュアル至上主義
・マニュアル管理の非合理性
・ ヨガを安全にするために
・マニュアルと身体知
・生命力をUPさせるもの
・のみcafe♪新宿文化センター
・セラピーワールドTokyo
・ 編集後記
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● 安富歩さんの視点
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冒頭のような疑問に対し、複雑系科学・経済学・仏教学・哲学など、実に幅広い視点から向き合った人がいます。
東京大学名誉教授 元東洋文化研究所所長の安富歩さんです。
このメルマガでも何度も紹介しているので、おなじみですね。
2006年に出された「複雑さを生きる」は、当時大きな衝撃を受け、今でも何度もよみかえす僕のバイブルです。
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その中で安富さんは、この能力についてこんな風に書いています。少し長いけど引用します。
~われわれ人間ひとりひとりの心身には、信じがたいくらいの高い計算能力が備わっており、その力を活用しなければ、複雑な世界を生きることが出来ない。その創造的な力の発動を恐れ、外的な規範にとらわれ、直接的な目標達成のために頑張ることは、事態を悪化させるだけである。ものごとに取り組む場合には、その置かれた状況を視野に入れ、学習能力を活性化し、間接的で動的な働きかけを行わねばならない。そのために必要な暗黙の力があなたには必ず備わっている~
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ごく単純化すると「複雑に変化する世界の中で、マニュアルに縛られながら頑張るとろくなことない。各自に備わったチカラを信じて生きなさい」ということでしょう。
僕がこの言葉を信じられるのは、安富さんがこのような研究をしよう、と志した境遇に共感できるから。
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● 安富さんの銀行時代
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安富さんは大学を卒業したのち、1986年当時の住友銀行(現三井住友銀行)に勤務しています。でもそこで「何らかの疑問」を抱き、大学院に戻ってこのような研究の道に進んでいます。
その疑問とはなにか?
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安富さんは言葉にはされていませんので、あくまで想像ですが
僕も彼から2年後に銀行に勤めているので当時の状況が何となく想像出来るんです。それは、徹底的にマニュアルでがんじがらめに管理されたシステムでした。
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● マニュアル至上主義
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今はどうかよくわかりませんが、当時の銀行には驚くほど分厚いマニュアルがありました。
その一字一句をしっかり読み込み、遵守することが何より大切なことなんです。
もちろんそうしないと、不正がおこったりするわけですから信用第一の組織としては仕方ないですよね。
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でもマニュアルの恐ろしさは、どんどん増殖していくことなんです。
なにか問題があると「原因は何だ?」「だれの責任だ?」となり、再発防止の新マニュアルが追加されます。
するとその新マニュアルを遵守しているかどうか?管理するための新マニュアルが生まれます。さらにその管理者を管理するためのマニュアル・・・という無限の階層がありました。(ああ~)
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そういうマニュアルで縛られた組織では何が起こると思いますか?
人は「自分が何を感じているのか?」より「マニュアルから外れてないか?」常にチェックすることに生きるエナジーを注ぐことになります。
その時、人も組織も生命力を失っていくんです。
少しでもマニュアルから外れると、処罰されますから「マニュアルに現実を合わせる」改ざんや隠ぺいが横行します。(官僚組織でもよく起こることです)
そしていつしか、マニュアルや指示がないと怖くなるんです。
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● マニュアル管理の非合理性
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きっと安富さんも、そんな環境で何かを感じたんだと思います。
彼は、複雑系科学の研究から「PDCA管理の非合理性」を解き明かしているのですが、まさにそれは当時銀行でよく使われていた管理手法でホントに苦手でした。(僕はそれを適当に無視して、TOPセールスになったので、それでよかったんだと思います・・・たぶん)
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人生だって事前に考えた計画通り進んだ試しがないんです。ホントに!
でも、ここまでなんとか生きてこられた。
それこそが内側の智恵に従ってきたからなのだと思っています。
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● ヨガを安全にするために
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同じ意味で「ヨガで怪我しないために」と、解剖学的な指導で事細かく指導する風潮に「なわけないやろ!」と強く反発しています。
「ネコは解剖学知らないけど、怪我しないでしょ」って。
何よりも優先されるべきは、身体知を発揮させるための「カラダはどうしたいんだろう?」というカラダとの対話です。
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解剖学を学ばなくていいというわけではなく、カラダとの対話に活かすために解剖学を活かすというのがすごく大切なのだと思っています。
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● マニュアルと身体知
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僕が大切にしたいのは、単なるマニュアルの否定ではなく、ただただ身体知を礼賛しているのでもなく、両者の使い分けや相補関係です。
部分的短期的ならマニュアルに・全体的長期的なら身体知にという役割分担が大切だと思っています。
それは現代医学と東洋医学の関係も同じ。
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ウェルビーイングのような全体的長期的な健やかさを、マニュアル管理して「頑張ってしあわせになりましょう!」なんていうのはおかしいですよね。
身体知に深く問いかけるべきものだと思っています。
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● 生命力をUPさせるもの
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タイトルに掲げた「生命力をUPさせるもの」という意味は、身体知が発動される方向性という意味です。
内側からの衝動のようなもの。
スピノザは何よりもそれを重要視しました。
僕はそれを「なんかいい感じ」と呼び、それを指針に「ちいさなトライアル&エラー」を重ねることをあらゆる機会にお伝えしています。
AIやネットで「正しい○○マニュアル」が氾濫する世の中だからこそ、そのカウンターバランスという意味でますます大事になってくると思っています。
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● のみcafe♪新宿文化センター
~ワタシのウェルビーイング~
10/23(木)13時半~16時半
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ネイティブアメリカンのラコタ族には「Seventh direction~7番目の方角」という言葉があるそうです。
~東西南北上下の6つではない、もう一つの方角がある。そこに偉大な知恵が隠されている。ほんとうに大事なものはそこに探しに行くのだ~と。
今回ののみcafe♪は、広い畳の上で気持ちよくカラダをほぐしたり、みんなでお話ししながら、私のウェルビーイングを探しに行く旅です。「Seventh direction」へ
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と、ここまで読んでも「なにをするのやら・・・」という方がほとんどだと思います(笑)
それでも、それでも「何かよくわからんけど、Knockされてる気がする!」と感じる方もいるんじゃないでしょうか?
一度深呼吸して、それでもまだKnockが続いていたら、ぜひご一緒しましょう♪
▼ 詳しくは
https://www.kaibougaku.com/nomicafe20251023/
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● セラピワールドTokyo2025
はじめて学ぶ人のための
「体感型」東洋医学入門
10/24(金)13時半~14時半
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今年もまた浜松町で行われる
セラピワールドTokyoに登壇します!
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冷えのぼせ/イライラ/のどの詰まりなど、更年期やホルモンバランスの乱れた時によくみられる症状について東洋医学はどう対応するのか?カラダで体験しながら、まなんでいきます。
Keyワードは右脳。全く初めて学ぶ人も「あっ、東洋医学ってこんなんでいいんだ!」と腑に落ちる内容です。
予備知識は一切不要です。詳しくはこちらのページで動画で解説していますので是非ご覧ください
https://therapyworld.jp/stage/?openExternalBrowser=1
▼ お申込みはこちらから
https://therapyworld.jp/seminar/25-1f3/?openExternalBrowser=1
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● 編集後記
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長々書きましたが結局
「なんかいい感じ」と「ちいさなトライアル&エラー」が大切という話です(笑)
でもそれを心から信じれるようになるために、このような説明が必要だと思うので。
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これが僕の講座や生き方を含めすべてを貫く信念です。
https://www.kaibougaku.com/touyou2025aki/
https://www.kaibougaku.com/menu/yogaanatomy/
※いつも満席の 10・11月少し空きがでました
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Unplug-lab Japan 野見山 文宏&雅江
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